CenterではなくCoreを探し駆動していく 〜人間中心設計についてもう一度考えてみた〜

ギルドワークスの佐々木です。

私はエンジニアですが、バックグラウンドとして人間中心設計(Human Centered Design:HCD)を学んできました。このエントリーでは、このHCDを否定するわけではなく、もう一歩進めて、User/HumanをCenterにするのではなく、CoreにしてDriveするのがよいのではないか、ということを書いてみたいと思います。

続きを読む

トーン&マナーの日々よ

こんばんは、ギルドワークスの藤田です。

皆さんの職場は、業務時間中にイヤホンをするのがOKな職場ですか?
ギルドワークスではイヤホンOK、というか、そもそも仕事中にこうしなければならないという縛りが何ひとつなく、靴下を脱ぎ始めたり壁に足をたてかけたりして仕事をする代表がいたり、正座しながらチョコパンを食べてPCに向かう現場コーチがいたり、そんなフリーダムな雰囲気ですが、私は集中したいときは爆音で音楽を聴くことが多いです。
そのせいもあってか、「このお客様のテーマソングは○○だな!」とか、「このサービスのテーマは■■だ!」とか、音楽や人をイメージすることが多いです。

先日も、とあるお客様のトーン&マナー設定をおこない、UIイメージを作成したのですが、サービスのコンセプトを知った時から、「これはB’zだ! B’zの”Times Flies”だ!」と、そのお客様の仕事の時は常にB’zを聞きながらで、アウトプットを共有するときも常に「B’zです!」と言い続けてきたのですが、みんな、私がいつもの通り寝言を言っていると思っていたのか、完全スルーされていました……でも、B’zなんです!

トーン&マナー設定

さて、ここから本題です。

実は、これは、「トーン&マナー設定」の画像です(さすがに、B’z画像はご提案の時には削除していますが…)。

トーン&マナー設定は、簡単にいえば、「色、モチーフ、印象の設定」なのですが、これによって、ビジュアルデザインの基礎ができる、というだけではありません。
そのサイトなりアプリケーションなりを「使う人(ユーザー)」はもちろん、「提供する人(サービス事業者)」、「システムやデザインを制作する人(制作者)」にも非常に重要なものなのです。

なぜなら、トーン&マナーは、サイトやアプリケーションや、それを含めたサービスが、「どのようにユーザーと接するか」「どのようにしてユーザーとコミュニケーションをとるか」を定める、ブランディングとしての意味も含んでいるからです。

ブランディングとしてのトーン&マナー

ビジュアルデザインは、ただの「見た目」なのではなく、そのサービスやアプリが「どういうものなのか」「ユーザーに対してどういう接し方をしてくるのか」ということの、一番わかりやすい表されかたです。

たとえば、BtoBの、信頼性が必要なインフラサービスが、「僕は明るくて楽しくてちょっとうっかりさんだよ!」と、表明するようなトーン&マナーをもっていたとしたら、ユーザーは高いお金を払ってそのサービスを利用する気になれなさそうです。それに、担当者はそういう人が好きでも、偉い人が承認する稟議に通らないかもしれません。
とてもかわいらしい雑貨を売っているECショップなのに、「道に倒れて誰かの名を呼び続けたことがありますか……」と、表明するようなトーン&マナーだったら、可愛いもの好きのユーザーは、そこに自分の求めるものがあるとは思えないでしょう。

それがどんなに素晴らしいサービスで、どんなに便利なものであっても、「使う人とどういうふうにコミュニケーションをとっていくか」が想定されていなければ、サービスは結局使われないままで終わってしまいます。

「このサービス(や、アプリケーション)は、こういうもので、こういう接し方をあなた(利用者)とするものです」ということを見定め、それに沿ったコミュニケーションを総体として行っていくための基礎がトーン&マナー設定なのです。

これはつまり、ブランディングの一部であって、ブランディングである以上は、利用者だけに関わるものではありません。
コミュニケーションは双方向であり、「このサービスはこういうものです」と、表明しているのですから、サービスを提供する事業者もそのように振る舞わなければなりません。
「信頼できる」トーン&マナーを持っているのに、カスタマーサポート部門が信頼できない振る舞いを行っては、トーン&マナーに反しています。
また、トーン&マナーに反した広告やプロモーションを行っても、コミュニケーションの前提がそもそもずれているので、無駄な投資となるだけです。
そして、そのサービスを開発する制作者も、「このサービスはこういうものです」に、合致しない振る舞いを、機能として実装するわけにもいかないのです。

「色を決めるだけ」「印象を決めるだけ」と、思われがちなトーン&マナーですが、サービス全体をひっくるめた、広義のデザインの基盤となるもので、これをまず最初に行うことは、その後の事業展開においても、非常に重要なことだと考えています。

ギルドワークスでは、新規事業や既存の事業の見直しを支援する、「価値探索」サービスを行っていますが、その中で、このトーン&マナー設定メニューも含んでご提案をしています。

企画や開発だけでなく、デザインに基づいたブランディングについてもお悩みのかたは多いかと思います。
何の色を使って、何のモチーフをもって、どういうふうにユーザーに接するのがベストなのかは、ビジュアルデザインだけでなく、UXデザインの領域にも踏み込むことなので、なかなか自社だけで行うのは難しいところがあるのではないでしょうか。

現在、期間限定でこの価値探索サービスの資料が無料でダウンロードできますので、企画だけでなく、ブランディング、利用者とのコミュニケーション戦略にお悩みのかたも、ぜひご一読ください。

資料ダウンロード:http://guildworks.jp/download_201506/

自分のところのサービスやサイトのトーン&マナーをつくってほしい!というご要望がございましたら、ヒアリングにお伺いしますので、こちらもお問い合わせください。

では、そろそろ、THE YELLOW MONKEYをテーマソングにしたお仕事に戻ります!

クリエイティブの道は禅に通ずるや否や?

こんにちは、ギルドワークスの藤田です。

この6月で、ギルドワークスに入社して3ヶ月が経ちました。あまりの濃密さに1年くらい経ってるんじゃないかという気持ちがするのですが、まだ3ヶ月、されど3ヶ月。3ヶ月も働いているのに、何も貢献できてないんじゃないか…とか、お客様やパートナーのみなさまにご迷惑をおかけしているんじゃないか…とか、ギルドワークスで働いていて楽しさや嬉しさがあればあるほど、逆方向の闇スパイラルに陥ることもしばしばです。

こんなとき、皆さんは、「出家したい」と思ったりしませんか。私はしょっちゅう出家したいなあ、と思っています。
先日、私があまりにも出家したい、出家したい、と言っていたので、見かねた取締役の増田からこの本を勧められました。

zenmind『禅マインド ビギナーズ・マインド』鈴木俊隆 著

あわせて面白い話を聞いたのですが、人間の内臓にかかわることで、「呼吸」だけはある程度コントロールがきくそうです。
考えてみれば、私たちは、私たち自身の体であるにも関わらず、心臓を止めることも動かすこともできないし、さっき飲んだお酒を今すぐ分解しろ!と、肝臓を働かせることもできません。自律神経とはよくいったもので、私たちの体はこうした意志とは、基本的につながっていません。
ただ、「呼吸」だけは、なんとかなる。
大きく吸うことも、大きく吐くこともできるし、逆に短く吸って吐くこともできる。
唯一自分自身でなんとかコントロールできる「呼吸」に集中することで、自分に向き合い、自分がどのようにあるのか、ということを、否定もせず、肯定もせず、ただそのようにして受け止めることができる、と。
だから座禅のときは、呼吸が大切なんだそうです。

この話を聞いて、そして『禅マインド』を読んで、なるほどなあ、と、思ったのは、呼吸というのはフックであったりきっかけにすぎず、「そうしたものがそのようにしてあること」を、否定してはいけない、ということです。心に浮かぶものはコントロールできない(自由にできるものではない)のですから、おそれや不安といった暗い感情も、打ち消すためになにかするのではなく、それは、そのようにしてあるのだ、というのを、眺めておく、客観的に見る、ということで、マイナスな感情に呑みこまれずに済むのではないでしょうか。

これだけだと、「ギルドワークスには性格の暗い人がいるな」というだけで終わってしまいそうですが、もうひとつの気付きは、禅と、エンジニアやデザイナーの進む方向に、通じている部分があるのではないか、と、いうことです。

『雑阿含経典(第33巻)』に、四種類の馬の話があります。卓越した馬、優秀な馬、普通の馬、劣った馬、の四種類です。
誰しも「卓越した馬」でありたい、「卓越した馬」になりたいと望んでしまうことがあるのではないでしょうか。
ところが、ブッダは、この四種の馬の中で、「劣った馬」を、もっとも大切にするのです。不完全であるからこそ、劣っているからこそ、多くを学ぶことができ、多くを乗り越えるための力をもち、そしてそのための意志をもちやすいのです。

これを読んだとき、『情熱プログラマー』の中の一章、「一番の下手くそでいよう」を思い出しました。
エンジニアも、デザイナーも、能力的にすべてよし、という状態はおそらくなくて、不完全なところから、劣っているところからはじめて、よりよいものをつくったり、よりよいとりくみをしていく努力ができるのではないでしょうか。
私自身、実際にものを作る段階には、外界をシャットアウトし、まさしく「自分に向き合う」ところから始めることが多いのですが、この、「自分に向き合う」というのも、はじめに書いた、「そのようにしてある」というありようを、受け入れることでもあるように思います。
また、クリエイティブな仕事というのは、何か「業」のようなものを抱えているので、禅の思想に近しいと捉えると、すこし、自分たちの仕事の別の一面が見えてくるように感じます。

自分は完璧にセルフコントロールができている!というかたは少ないと思いますので、カジュアルな出家の前にぜひお勧めしたい著作です。

「現場」に働く「重力」と対抗する「浮力」を考える

ギルドワークスの佐々木です。

抽象的な話になりますが、開発を取り巻く様々な力の話をしたいと思います。

ビジネスに価値を生む開発(Development=Design&Engineering)では、ある時間軸(Time Span)の中で「価値(Value)」を出していくことが必要となります。ビジネスが成立するタイミングが売った時点(Point of Sales)か、または、使った時点(Point of Use)かによって様々ですが、開発したモノの「価値」が時間によって失われていく・小さくなっていくという「重力」に晒されていると考えています。

設計(Design)と工学(Enginering)に支えられた開発は、市場に出すまでのTime to Lead、あるいは、出した後の経年劣化など、常に価値が減衰する方向の重力に晒されています。

続きを読む